それこそが、かず子の「革命」であった。 「他の生き物には絶対になくて、人間だけにあるもの。 太宰 治(だざい おさむ、1909年〈明治42年〉6月19日 - 1948年〈昭和23年〉6月13日)は、日本の小説家。 本名、津島 修治(つしま しゅうじ)。左翼活動での挫折後、自殺未遂や薬物中毒を繰り返しながらも、第二次世界大戦前から戦後にかけて作品を次々に発表。 かず子 主人公。一度結婚するも、流産、家に戻る。母と一緒に暮らしている。 かず子の母 かず子の母。夫を亡くし、かず子と二人で暮らしている。体調を崩しやすい。 直治(なおじ) かず子の弟。戦争に行き行方不明だったが、家に戻ってくる。 上原(うえはら) 直治の尊敬する小説家。妻と娘がいる。酒におぼれた生活を送る。 直治(なおじ) かず子の弟。戦争に行き行方不明だったが、家に戻ってくる。 上原の家を見つけるも、そこに居たのは彼の妻と娘だった。 だから、それだから、かず子はどこへも行かずに、お母さまのお傍にいて、こうして地下足袋をかいて、お母さまにおいしいお野菜をあげたいと、そればっかり考えているのに、直治が帰ってくるとお聞きになったら、急に私を邪魔にして、宮様の女中に行けなんて、あんまりだわ」このかず子の言葉を聞いた母は、はじめて叔父のいいつけに背いた。 一人取り残されたかず子は、お腹の子どもと生きていくのだった。, 戦後の時代の移ろいと、貴族の没落を描いた様子は、太陽が傾き日が落ちる「斜陽」そのものと言える。 「いつだかおっしゃったじゃないの。 登場人物それぞれが、かず子のいう「道徳の過渡期の犠牲者」であった。 そんなかず子は、自分の胸にはいじわるの蝮が住み、いよいよ野生の田舎娘になっていくような気分を感じていた。, 母がかず子に話を持ち掛けた。 時代が時代であったため、分かりにくい部分や理解しがたい部分もあるだろうが、そのぶん当時のことや、太宰の考え方について知ることのできる作品である。, 「走れメロス」 のあらすじを起承転結で短く簡潔に解説!ストーリーのネタバレ注意!→ 村に住む牧人のメロスは、シクラスの市の王様の残虐な行いに激怒して、城に乗り込んで王様に意見するのですが、聞く耳を持たない王様はメロスに処刑を言い渡した。親友を人質として置き、3日間の猶予をえることに…, 「人間失格」 のあらすじを起承転結で短く簡潔に解説!ストーリーのネタバレ注意!→この作品は、第三者目線で語られる「はしがき」「あとがき」と、第1の手記、第2の手記、第3の手記からなる。主人公の葉蔵は、人間の営みが理解できない。そのため、生活の中で人と関わることが恐怖でしかなかった…, 「親友交歓」 のあらすじを起承転結で短く簡潔に解説!ストーリーのネタバレ注意!→昭和21年の9月のはじめに、小学校時代の同級生である平田という男が私の家にやってきました。平田は小学校のクラス会を開催して、2斗(約3.6リットル)のお酒を集めようと私に相談してきたのです。平田は滅茶…, 「桜桃」 のあらすじを起承転結で短く簡潔に解説!ストーリーのネタバレ注意!→ある暑い夏の日、夕食の途中で「涙の谷」という妻の一言から、子育ての悩みや疲れを打ち明けてしまい、夫婦喧嘩をしてしまいます。言い争いが苦手な私は、妻からも子どもからも逃げるように家を飛び出し、よく行く飲…, 「ヴィヨンの妻」 のあらすじを起承転結で短く簡潔に解説!ストーリーのネタバレ注意!→詩人で極度の放蕩者の夫を持つ妻が、世間に揉まれながらも些細な幸せを享受し生きていくお話です。時折、家に泥酔して帰ってきたかと思えば何かにひどく怯えている夫の繊細さや孤独を知る妻。その反動か表では酒に不…, 「パンドラの匣」 のあらすじを起承転結で短く簡潔に解説!ストーリーのネタバレ注意!→小柴利助は20歳の時に結核療養の病院に入院することになり、「ひばり」というあだ名で呼ばれるようになりました。個性的な院長や医師たちと親交を深めていき、ひと癖もふた癖もある同室の患者たちと独特な療養生活…, 「うるはしみにくし あなたのともだち」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|澤村伊智. 引っ越してすぐに母は体調を崩していたが、、名医のおかげで回復、「神様が私を一度お殺しになって、それから昨日までの私と違う人にして、よみがえらせて下さったのね」と前向きに暮らす母。 ある日直治が女性を連れてきて、直治も居心地が悪そうにしていた。 母は、かず子と少しの会話をしてから亡くなった。 内容は2つ。 ばあやのお関を通じてお金を送っていたが、かず子は心配になり、上原を訪ねた。 体調が戻らない母を心配し、叔父に手紙を送ると、以前侍医をやっていた医者がやってきた。 上原(うえはら) 直治の尊敬する小説家。妻と娘がいる。酒におぼれた生活を送る。, 舞台は戦後。貴族だったかず子たち家族も、戦後の移り変わりによって没落する。東京から伊豆へ引っ越し、かず子と母は2人で暮らしていた。行方不明になっていた弟の直治は、戦争から帰ってくると酒におぼれた生活を始めた。母は体調を崩し、不安を抱えるかず子。そんな中で、かず子は上原に3通の手紙を送る。返事は返ってこなかった。, 貴族であったかず子と母は、東京で暮らしていたが、戦後の時代の移り変わりにより、引っ越しを余儀なくされる。 お酒を飲んだ二人、帰る途中に暗い階段を上った。 そんな中で、かず子は、弟の尊敬する小説家・上原に3通の手紙を書く。 皆さんは、太宰治という作家にどのようなイメージを持つでしょうか?『人間失格』や自殺のインパクトが強いため、なんとなく暗いと考える人が多い... https://jun-bungaku.jp/wp-content/uploads/2020/06/png_file-2-e1593522396847.png, 『溺レる』は、何かから逃げるために旅をする男女の物語です。 今回は、川上弘美『溺レる』のあらすじと内容解説、感想をご紹介します! 家に帰ると、直治は自殺していた。 そして、この家のお金が無くなってしまったから、かず子をお嫁に行かせるか、奉公の家を探すかしかない、という叔父からの言いつけであった。 上原は、後ろについてくるかず子にキスをした。 太宰治「斜陽」あらすじをご紹介します。かず子は華族の家に生まれ、裕福な生活を送っていました。しかし、第二次世界大戦で敗戦してからはその生活は一変し、没落貴族となります。東京での生活が苦しくなったかず子と母は、家を売って伊豆で暮らすことにしました。 妻と娘を見ても、かず子の上原への気持ちは揺るがなかった。 母は、結核であった。 かず子と、直治に看取られて亡くなった。 太宰の作品は本人の意思や考え方を反映したものが多いが、「斜陽」もその一つである。 【太宰治】『斜陽』のあらすじ・内容解説・感想|名言付き yuka 2020年1月26日 / 2020年8月6日 それにともなって、没落していく上流階級の人々を指す「斜陽族」という言葉が生まれたり、国語辞典の「斜陽」に「没落」という意味が加えられたりと、社会に大きな影響を与えました。 母の体調は悪化し、寝たきりの生活が続いた。 弟の直治の行方が分かったが、ひどい阿片中毒になっていること。 くしゃみが出るくらい幸福だわ」二人は結ばれ、かず子は上原の子どもを妊娠する。 太宰治『斜陽』とは、発売当時、若者を中心に支持されてベストセラーとなった小説です。, それにともなって、没落していく上流階級の人々を指す「斜陽族」という言葉が生まれたり、国語辞典の「斜陽」に「没落」という意味が加えられたりと、社会に大きな影響を与えました。, 初版発行部数は1万部(現在は、初版3000部を発行すれば「売れる作品」という箔が付く)で、版を重ねてベストセラーとなりました。青森県にある太宰治の記念館は、「斜陽館」と名付けられました。, 『斜陽』の元となった、『斜陽日記』という日記です。太宰の愛人の1人であった太田静子という女性が書いたものです。「人間は恋と革命のために生まれてきたのだ」という一文が引用されていたりと、『斜陽』に大きな影響を与えたものです。, 坂口安吾、伊藤整と同じ「無頼(ぶらい)派」に属する作家です。前期・中期・後期で作風が異なり、特に中期の自由で明るい雰囲気は、前期・後期とは一線を画しています。太宰については、以下の記事をご参照ください。, 貴族の家に生まれ、戦後没落してしまったかず子は、家を売って母と伊豆に移り住みます。しかし、移住してきてから母は体調を崩してしまい、寝ていることが多くなりました。それでも、かず子は母を支えて慣れない畑仕事等に精を出します。, そんなとき、戦争で亡くなったと思われていたかず子の弟・直治が家に帰ってきます。しかし、家にはほとんどおらず、東京で荒れた生活を始めました。かず子は、直治の知り合いの上原という男と出会い、ある決意をします。, 29歳の主人公。何不自由なく生活してきたため、世間を知らない。逆境に立ち向かっていく強さのある人物。, かず子と直治の母親。高貴で美しい人物で、かず子と直治からは「本物の貴族」と呼ばれている。, かず子の弟。貴族と平民の間でさまよって自分の居場所を見つけられず、戦後は放蕩(ほうとう。遊ぶこと)の限りを尽くす。, この先、太宰『斜陽』の内容を冒頭から結末まで解説しています。ネタバレを含んでいるためご注意ください。, もともと貴族階級だったかず子は、母親と優雅な暮らしをしていました。しかし戦争が終わって貴族の立場があやうくなり、かず子と母親は伊豆に引っ越しをすることになります。, そんなとき、南国の戦地で行方不明になっていて、もう戻らないかと思われたかず子の弟の直治が、伊豆の家に帰ってきました。しかし現地で麻薬中毒になっていた直治は、家の金を持ち出して東京で遊んでばかりいます。, 伊豆に引っ越してすぐに、母は体調を崩してしまいました。しかし村の名医のおかげで回復し、大事には至りませんでした。この頃から、かず子は生活のために畑仕事をするようになります。, 伊豆での生活は順調に進んでいるように思われましたが、徐々に暗雲が立ち込めます。今までは働かなくても暮らしていけるだけのお金がありましたが、ついに自由に使えるお金が底をついてしまったのです。, 叔父(母の兄)は、母に「かず子をお嫁に行かせるか、奉公(住み込みで働く人)として働かせなさい」と言いつけます。, それを聞いたかず子は、半狂乱になって駄々をこねます。そんなかず子の様子を見て、母は「働かなくていい。物を売って暮らせばいい。高い野菜だって買えばいい」とかず子を慰めるのでした。, 直治が東京から遊んで帰ってきた後、母の容体が急に悪くなりました。具合が悪い日が多く、ほとんど寝たきりの状態です。, そしてかず子は、以前一晩だけ関係を持ってそれから6年間会わずにいた、上原という男のことを考えました。, 上原は直治の知り合いで、かず子は借金で首が回らなくなっている直治に言われるがままにお金を用意し、上原経由で直治を援助していたのでした。, そんな中で、かず子は上原に3通の恋文を書きました。しかしどれだけ待っても、返事が返ってくることはありません。直治に上原のことを聞くと、いつもと変わらずに作家活動を続けているようでした。, ある日、母が高熱を出したため医者に診てもらうと、結核であることが判明しました。結核は不治の病であったため、かず子は絶望します。今まではお金があれば何でも解決できましたが、今回ばかりはどうしようもありません。, やがて、白魚のようだった母の手が醜くむくみ、食事を受け付けなくなり、母はついに亡くなりました。状況を受け入れたかず子は、いつまでも落ち込んでいられないと自分を奮い立たせます。そして、恋と革命に生きることを決意します。, それからかず子は、伊豆の家を出て東京の上原のもとに向かいました。そして、かず子が手紙のことを聞くと、上原は「僕は、貴族は嫌いなんだ」と言いました。, しかし、かず子の強い思いを感じ取った上原は、「しくじった。惚れちゃった」と笑います。次の日の朝、直治は伊豆の家で自殺しました。, 直治は、貴族であることに嫌気がさすも、完全な俗人にもなり切れなかったため、居場所を見つけられなかったのでした。, かず子は上原の子を身ごもり、「こいしい人の子を生み、育てることが、私の道徳革命の完成なのでございます」と高らかに言います。かず子は古い道徳と戦い、太陽のように明るく生きていくことを誓うのでした。, この小説は、基本的にかず子の一人称で描かれています。ですが直治の遺書が途中で挟まれており、直治が母や姉をぞんざいに扱ったのちに破滅していった経緯や、語られなかった秘密が明かされます。, これを知っているのと知っていないのとでは、解釈に差が出てくるので、2回目に読むときは直治目線で読んでみるのが良いと思いました。, 直治と上原には、太宰の分身が反映されているように感じました。特にそれが強く出ているのが、直治です。直治は小説家の真似をして麻薬に手を出したと表現されていますし、その時の心理が遺書の部分に克明に描かれています。, これは、実際に体験した人でなければ味わうことのない苦しみでしょう。『人間失格』の主人公・葉蔵の手記に似たものを、直治の遺書からは感じ取れました。, さらに、直治は自分が貴族であることを引け目に感じています。青森の大地主の家出身の太宰は、クラスメイトの家から巻き上げたお金で、自分が裕福な暮らしをしている事に疑問を持った経験があり、これも直治と重なる部分です。, 上原の放蕩癖も、太宰と共通しています。このように、太宰は登場人物に自分を重ねて、『斜陽』を執筆したのです。, 小説の中でかず子と直治は、元貴族という地位にいながらも、俗っぽい所がある人物として描かれます。しかし、母だけは別格の「本物の貴族」という風に言われていて、とにかく高貴で美しいと繰り返し表現されます。, そんな母に、かず子は尊敬に近い気持ちを抱いています。同時に29歳にもなって母親にべったりくっついて離れようとしなかったり、子供のように駄々をこねたり、異常なほど母親に執着します。, また直治は、遺書で「人間はいつでも死ぬ権利を持っている。しかし母が生きている間は、その権利を使ってはいけない。それは同時に、母を殺すことになるから」と述べています。, 言葉通り、直治は長らく自殺願望を持ちながら、母が病気で亡くなるのを待ってから実行しました。, このような部分から、かず子と直治の並々ならない母を慕う気持ちが伝わってきます。「女神のように美しくて、包容力のある母親の愛に甘えている子供たち」という構図を読み取りました。, いつまでも親離れしないかず子の言動に、多少驚くことはありますが、それでもお互いに大切に思い合っていて、本当に理想的な親子だと思います。, 興味深いのは、これを太宰が描いたということです。彼は10番目に生まれた子供なので、両親からは全く相手にされず、乳母(母替わりの女性)に育ててもらったという過去を持っています。, 当時大切に育てられたのは長男で、それ以外の子供はないがしろにされる場合がほとんどでした。両親からの愛を受けていない太宰は、太宰の思う理想の家族を『斜陽』に描いたのかもしれません。, 「生きていること。生きていること。ああ、それは、何というやりきれない息もたえだえの 大事業であろうか」, 一晩で1万円(1年は楽に暮らせるくらいのお金)を酒のために使った上原を見て、かず子が思った言葉です。, しかし彼女は、そんな上原を非難しません。生きることは闘いで、酒は上原の生きる上での武器だからです。酒におぼれることによって、なんとか上原は生きていられるのです。, かず子は、それまで何不自由なくぬくぬくと育ってきた世間知らずの女性です。「お金がなくても、誰かが何とかしてくれる」「物事がうまく動いてくれる」という風に他力本願な人物です。, 世の中が変わって今までのような優雅な生活ができなくなった時、かず子たちは田舎への引っ越しを余儀なくされたり、農作業をすることになりました。, このように、ぬるま湯から氷水に落とされた変化こそが、かず子に「生きることは闘いだ」という結論にいたらせたのではないかと思います。, 恋と革命に生きることを決意したかず子、病気のためなすがままに亡くなった母親、生きるための闘いに敗れて自殺した直治、酒におぼれる上原。4人分の「滅び」が詰まった『斜陽』を、ぜひ一度読んでみて下さい!青空文庫でも読めます。, 次回のコメントで使用するためブラウザーに自分の名前、メールアドレス、サイトを保存する。, 本が大好きな女子大生です。 図書館にこもって貪るように絵本を読んだ幼稚園児時代、学校の図書室の本を全制覇することを目標にした小学生時代を過ごし、立派な本の虫になりました。.

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